じぃじせんせぇい -小児肘内障について-

最近、孫が私のことを「じぃじせんしぇい」と呼びます。

今週の日曜日、私が仕事が終わった後、家族でランチの約束をしていました。待ち合わせのレストランへ行くと、孫が大泣きしています。パパとママと手をつないでいてぶら下がろうとした時に、どうも肘が抜けてしまったらしいのです。

診るとママに片腕だけでしがみついて、もう片方の腕はだらりとして激しく泣いています。左肘を診ると腫れてもいません。典型的な小児肘内障です。

片方の拇指で孫の橈骨頭部を軽くおさえ、もう片方の手で前腕を捻りながら肘をわずかに曲げます。橈骨頭部をおさえていた拇指にクリッとした感触があれば、整復成功です。

孫は整復が終わると激しく泣くのが治まり、しゃくりあげるだけになりました。食事をする頃には、両手で使って食べていました。

翌日、孫は保育園に元気に登園して保育士さんたちに肘を見せながら「じぃじせんせぇいに治してもらったの。」と言っていたそうです。

私の治療室にもときどき小児肘内障でいらっしゃるお子さんがいます。少し、小児肘内障についてお話します。

小児肘内障

症状

子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで動かさなくなります。

原因

幼い子どもの肘の関節は、橈骨輪状靱帯がまだ成長途中でルーズなために肘の外側の骨(橈骨頭)がはずれかかることによって起こります。成長して靭帯がしっかり固定されるようになると肘内障が起きることはまずありません。

学校上がるまでの子ども、特に歩き始めた頃の2~4歳までに多くみられます。

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肘内障を疑うケース

手をつないで歩いていて、お子さんが急に転びそうになったり、お子さんが急に手をふるほどこうとしたなどのエピソードがあり、以下の項目が当てはまれば、肘内障を疑います。

  • 突然激しく泣き出した
  • 腕をだらりとさせている
  • 肘の部分には腫れなどはない

肘内障になっても慌てる必要はありません。私の孫の例でもお話ししたように

きちんと整復する技術を持った医師や柔道整復師のいる整形外科、小児科、接骨院で治療すれば、すぐに治ります。

上記のケースに当てはまらない場合も骨折などの疑いがあるので整形外科、小児科の受診を勧めします。

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