膝の痛みや違和感の症状は、膝が痛くて正座ができない、立ち上がるときに痛む、歩くと痛む、走ると痛む、階段の上りや下りで痛む、腫れて動かさなくても痛むなどなどさまざまで、痛む場所も膝のお皿の骨(膝蓋骨)の上下、内側、外側、膝の周り全体とさまざまです。
膝が痛みだすと「軟骨がすり減ったのでは?」、「膝に水がたまったのでは?」という心配をされている方が多いようです。はたして…。
軟骨がすり減るから膝が痛いの?
関節の軟骨には神経線維がありません。ですから軟骨が多少減った所で、痛みを感じるはずがないのです。
もちろん、軟骨がすり減って完全になくなれば、手術をせざるを得ない状態になります。
しかし、そこに至るまでは長い時間を要します。痛み初めの初期の段階では、関節のまわりの筋肉や腱の痛みがほとんどです。
膝に水がたまるとは?
誰でも関節内にある関節がスムーズに動くのを助ける潤滑油のような働きや関節の軟骨に栄養を与える働きをしている「関節液(滑液)」がもともと一定量あります。関節内の滑膜(かつまく)という関節液をつくる組織が何らかの原因で炎症を起こすと関節液が過剰に作られて、水がたまった状態になります。
炎症を起こす主な原因は、スポーツや事故による外傷・骨折、「関節リュウマチ」や「痛風」などの関節に炎症を起こす病気と「変形性膝関節症」などがあげられます。
当院の患者さまで多いのは、スポーツのし過ぎや膝に負担をかける作業に腰痛や脚の捻挫などをかばって膝が痛み、痛みのために筋肉が緊張して血行が悪くなり水がたまってしまうケースです。この場合は、筋肉の緊張を弛め、血行を良くすることで治ります。
腰をかばっていると膝痛へ発展?!
腰痛や膝関節だけでなく脚の関節のケガをかばっている姿勢は、股関節や膝関節を軽く曲げた状態になり、腰はもちろん太腿やふくらはぎの筋肉に大きな負担をかけてしまいます。膝の痛みの初期には膝の内側の痛みを訴える方が多くみられますが、これは「内側広筋」、「大内転筋」の緊張が関わっています。また、階段を昇るとき痛む場合は「中間広筋」が下るとき痛む場合は「大腿直筋」が伸びにくい状態になっていることが多くみられます。
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