気づかないうちに進む“巻き肩”

スマホやパソコン作業が続く現代、多くの人が知らず知らずのうちに巻き肩(内肩)になっています。
肩が前に入り、胸が閉じた姿勢は、肩こり・首こりだけでなく、呼吸の浅さや疲れやすさの原因にも。
この記事では、院内でも患者さんに実践していただき「その場で楽になった」と声をいただいた、
立ったまま手のひらを前に向けるだけの簡単なセルフケア をご紹介します。
疲れたとき、休憩の合間、ちょっとした隙間時間に──。
だれでも気軽にできるこのエクササイズで、あなたの姿勢を整えてみませんか?
巻き肩(内肩)とは?

巻き肩(内肩)とは、肩が前にねじれて、
胸がすぼんだような姿勢のことをいいます。
- デスクワークで前かがみの姿勢が多い
- スマホを見る時間が長い
- 頭が前に出た姿勢がクセになっている
といった生活習慣が続くことで、
- 胸の前側の筋肉(大胸筋・小胸筋)が縮こまり
- 背中側の筋肉がうまく働かなくなり
- 肩が前に引っぱられる
という状態になっていきます。
簡単セルフチェック

ご自分の姿勢を簡単にチェックしてみましょう。
- 壁に「かかと・お尻・背中・後頭部」をつけて立つ
- 腕は力を抜いて、自然に体の横に垂らす
- このとき、肩が前に丸くなっていないか、胸がつぶれていないかを確認します
- 肩が前に出ている
- 手の甲が前を向きやすい
こんな状態の方は、巻き肩傾向があると思ってください。
簡単!巻き肩改善エクササイズ
気をつけ姿勢から 手のひらを前に向けるだけ
それでは、実際のエクササイズをご紹介します。

やり方
- まずは「気をつけ」の姿勢でまっすぐ立ちます
- 足をそろえ、背筋を軽く伸ばします
- 肩の力はできるだけ抜きます
- 腕は、体の横に自然にたらします
- 手の甲が体側を向いている、いつもの「気をつけ」の形です
- そこから、手のひらを前向きにします
- 親指が外側に少し開くようなイメージです
- 肘は軽く伸ばしたまま、力を入れすぎずに行います
- そのまま 5〜10秒ほどキープ します
- 呼吸は止めず、ゆったりと自然に吸って吐きます
- いったん元に戻し、1〜3回ほど繰り返します
これだけです。
このエクササイズで期待できる効果

この動きはとてもシンプルですが、体の中では次のような変化が起こっています。
- 肩関節が 外旋(外側にねじれる動き) することで
→ 肩が自然に開き、内側に入り込んでいた状態が戻りやすくなります - 肩甲骨が 内側(背骨側)にやや寄る ことで
→ 背中の筋肉が働きやすくなり、姿勢を支えやすくなります - 胸の前の筋肉が、ほんの少しストレッチされることで
→ 胸がひらき、呼吸がしやすくなります
実際に患者さんに行っていただくと、
- 「肩が軽くなった」
- 「胸が広がった感じがする」
- 「背筋がスッと伸びた」
といった感想をいただくことが多いエクササイズです。
行うときのポイント・注意点
力いっぱいねじらず、心地よい範囲で行います
胸を張り過ぎず、あくまでも自然に開く感覚を大切にします
巻き肩の方は目線が下向きになっているので目線を少し上を意識してください
肩をすくめないように気をつけてください(首に力が入らないように)
肩や腕に強い痛みが出る場合は、無理をせず中止してください
1日に何度行っても大丈夫ですが、
デスクワークやスマホを長く使ったあとに1〜2回
行うだけでも姿勢のリセットになります。
こんな方におすすめです
デスクワークの時間が長い方
スマホを見る時間が多い方
人から「猫背ぎみですね」と言われたことがある方
胸を張ろうとすると、かえって肩や腰がつらくなる方
難しい体操や、続かないストレッチではなく、
「気づいたときにサッとできる」ことが、このエクササイズの一番の利点です。
まとめ
巻き肩(内肩)は、放っておくと「肩こり」「首のこり」「呼吸の浅さ」など、
さまざまな不調につながってしまいます。
今回ご紹介したエクササイズは、
- 立ったまま
- 道具も不要
- 10秒程度でできる
とても取り入れやすいセルフケアです。
日常生活の中で、ふとしたときに思い出して、
ぜひ「手のひら前向きエクササイズ」を取り入れてみてください。
それでもつらい症状が続く場合や自分ではどうしていいか分からない方は、
お気軽に柏長生館高城整復院にご相談ください。


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