ふくらはぎを柔らかく

血行促進が健康の第一歩

「血流を良くすることがさまざまな病気を防ぐ第一歩」というのが、私が40年以上の施術経験で実感していることです。血液は、体内を循環することで、全身の細胞に酸素や栄養素を運ぶ大切な役目を果たしているからです。

では、どうすれば血液の流れをスムーズにできるでしょうか。私は、ふくらはぎの柔軟性がキーポイントだと、患者さんを通して学びました。ひどい肩こりや首の痛みを訴える患者さんのふくらはぎは例外なく硬くなっています。ふくらはぎを柔らかくすると、全身の血液の流れがスムーズになり、肩や首の痛みも緩和する症例もたくさんみてきました。

ふくらはぎは第2の心臓


心臓から出ていく動脈は、心臓がポンプの役割をして、身体の隅々まで血液を巡らせます。
では、心臓へ戻る静脈は、どのように戻ってくるのでしょう?
その重要な役割を担うのがふくらはぎです。

ふくらはぎは、心臓から遠い位置にあります。くらはぎの筋肉がポンプとなって、血液を押し上げています。こうしたことからふくらはぎが「第2の心臓」といわれる理由です。

ふくらはぎを柔軟に保つメリット

ふくらはぎが柔軟に保たれていると血流がスムーズになり、次のような効果が得られます。

  • 血流が促進されることで血圧が安定する
  • 脚のむくみが解消し、冷え性が改善する
  • 基礎代謝が向上し体脂肪を燃焼しやすくする
  • 細胞が活性化されることでアンチエイジング効果が期待できる
  • 自律神経の乱れが整い、不眠などが改善される
  • ホルモンバランスが整い、情緒の安定し、特に女性の心身に健康効果がある
  • 免疫力の向上で風邪などの感染症にかかりにくくなる

また、ふくらはぎの柔軟性は、股関節、膝、足首などの下肢関節の柔軟性と密接にかかわっています。
ふくらはぎの柔軟性を保つことで、腰痛、坐骨神経痛などの腰椎疾患の予防効果が期待できます。

ふくらはぎの状態をチェック

多くの皆さんは、こむら返りや足がつることがないとふくらはぎの異常に気がつくことがありません。
まず、以下のような自覚症状はありませんか?

  • パンパンに張っている
  • ぽっちゃりとして重だるい
  • すぐに疲れてしまう
  • ちょっと動いただけでつりやすい

さらに以下の項目をチェックしてください。

  • 両手の親指と人さし指でつくった輪っかに、ふくらはぎが入る
  • ぶよぶよ、ふにゃふにゃで柔らかい
  • ふくらはぎを指で押して離すと、指の痕が3秒以上もどらない
  • 血管がぼこっと浮き出ているところがある
  • 手のひらで触ると冷たく感じる

このような自覚症状やチェック項目に該当する方は、改善が必要です。

自覚症状などがなくても股関節の柔軟性が低い場合もふくらはぎの柔軟性を高める必要があります。

股関節の柔軟性チェック方法

うつ伏せになって、手で足首を持ってお尻に近づけます。
踵がお尻に楽につけば、股関節の柔軟性は正常です。つかない場合は、改善が必要です。
※股関節や膝に痛みのある方は、無理に行わないでください。

ふくらはぎのセルフケア方法

① 足裏ケア

血液やリンパ液の流れを良くするためには、求心性(手足の先から身体の中心に向かう方向)に刺激していくのが基本です。踵を通して、ふくらはぎの遠位にある足裏からケアします。

足の裏には湧泉ゆうせんという全身の血行の改善、体のだるさ、足の冷え、不眠にも効果があるツボがあります。場所は、土踏まずの斜め上辺りで、 足の指を曲げて一番へこむ場所。 足の裏のたての中心線と、指を入れずに横に3等分した線が交わる辺りです。湧泉を起点として、両拇指で押し流すイメージで踵まで移動させます。これを10回程度繰り返します。

② ふくらはぎケア

ふくらはぎにあたる筋肉は下腿三頭筋かたいさんとうきんです。 下腿三頭筋は、浅層の腓腹筋ひふくきんと深層のヒラメ筋から構成されています。

ふくらはぎに手のひらをしっかりと密着させ、足首からひざ裏のまで両手で交互にさすりあげます。
図のように腓腹筋は、内側と外側と2つの盛り上がりがあります。この2つの隆起を意識してさすることが、ポイントです。

ふくらはぎのストレッチ

いろいろなふくらはぎのストレッチがありますが、おすすめのストレッチ2つをご紹介します。

ふくらはぎのストレッチ ①

壁に足をかけて行うストレッチです。

壁に両手をついて、脚を前後に開き、前の脚のつま先と指の付け根を壁に引っかけます。
肘を曲げ具合、身体を壁に近づけ具合で、ふくらはぎの伸ばし具合を調整してください。
ふくらはぎの筋肉が気持ちよく伸びているところで、15秒~30秒キープしてください。

ふくらはぎのストレッチ②

タオルを使ったストレッチです。こむら返りや足がつった時にも効果があります。日頃から行うことで、こむら返りの予防にもなります。

仰向けになり、片方の脚を上にあげて、タオルを足の裏に当て下に引っ張ります。
ふくらはぎの筋肉が気持ちよく伸びているところで、15秒~30秒キープしてください。
逆の脚も同様に行います。

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